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    きーさん 添乗員日記
 
 
北陸中日新聞
      に掲載中
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初添乗のころ<2>
長江横断遠泳大会<3>
ワインのお返し<4>
夫婦円満旅行の誕生<5>
沈まぬ太陽<6>
キーウエストの神風<7>
五番街ティファニー<8>
『ルンビニー園』<9>
機長と社長<10>
海の都で<11>
動物漫才<12>
・ロードサイド店<13>
危機一髪?<14>
新入り操縦士<15>
スキーツアー企画<16>
『ほのぼの旅行』<17>
出向を命ず<18>
ハイジャックに<19>
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休息とお祭りの島<21>
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ハイティー<23>
オリンピック<24>
買い物<25>
アスワンでの母娘<26>
ルクソールの休日<27>
大失敗の巻き<28>
自由行動日<29>
香港に始まって<30>



 

ロードサイド店

イギリスは、ロンドンのケンジントン地区に
旅行を中心としたデパートがオープンした。
雑誌にその紹介記事が掲載されたのは、
バルセロナオリンピック開催の2年前、
1990年(平成2年)だった。

その年、
私はオリンピック関連施設視察を目的とした
ヨーロッパ研修に出発した。

最初の到着地 JTBロンドン支店で、
現地スタッフとミーティングした後、
かつて私の部下だった富山県出身の駐在員H君と地下鉄でケンジントンに向かった。

日本のこれまでの旅行店舗は、
駅前や繁華街での立地が多く、広い売り場スペースや駐車場が十分確保できない状況だった。
特に地方都市は、マイカー利用がショッピングの主流となっており、当時郊外に旅行関連ショップを作ろうと本社と交渉を開始していた矢先だった。
そのデパートは、フランスのタイヤメーカー
ミシュラン』のビルをイギリス人のオーナーが買い取り、
旅行を生活の一部ととらえたコンセプトでオープンした新しい試みだった。

1階は旅行販売フロアー
2階は家具・リビング用品
3階は食品・キッチン用品となっている。
旅行フロアー以外の商品は、全世界にバイヤーを派遣して品揃えをした雰囲気のある店舗で、訪れた日は若い人たちで大変ににぎわっていた。


その後、スペインに入り、
マドリード・グラナダ・トレモリーノスとまわりホテルやレストラン・運輸機関の受け入れ状況を視察した。

バルセロナでは、オリンピック競技場の工事の進行状況などを現地スタッフから説明を受け、10日間の予定を終了し帰国した。

ロンドンで見学したデパートの印象が強烈で、
帰国してから早速ロードサイド店をオープンさせるため、立地の検討に入った。
幸い、ある自動車ディーラーの社長のご協力で金沢西インター近くのそのディーラーの隣に土地を確保することが出来た。
自動車ディーラーとの異業種による複合と、旅行販売のほかにスーツケース等の旅行用品や、輸入雑貨を取り扱う店舗となった。

店の雰囲気も大切と考え、
今までに無い旅行店舗として。機を中心にした案理科のフロリダ半島の雑貨店をイメージして、地元の若い設計士に依頼した。

オープン当初、
車は1日何千台と通るが、人間があまり通らないことで本社もヒヤヒヤした様子だった。
しかし、
店の従業員の努力で、1年後には軌道に乗り車で乗り入れできる便利な店として、特に若い人たちのハネムーンの申込みや、旅行用品などの準備が出来る、と評判となった。

全国初の旅行のロードサイド店として、
業界紙などに紹介され、多くの人の協力を得て店が歩き出し、内心ホッとしたことだった。
また、当社の北陸3件16店舗の中で、今でも折にふれ何かと気にかかる店となっている。


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