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    きーさん 添乗員日記
 
 
北陸中日新聞
      に掲載中
過去の記事
  ベトナムは今<1>
初添乗のころ<2>
長江横断遠泳大会<3>
ワインのお返し<4>
夫婦円満旅行の誕生<5>
沈まぬ太陽<6>
キーウエストの神風<7>
五番街ティファニー<8>
『ルンビニー園』<9>
機長と社長<10>
海の都で<11>
動物漫才<12>
ロードサイド店<13>
危機一髪?<14>
新入り操縦士<15>
スキーツアー企画<16>
『ほのぼの旅行』<17>
出向を命ず<18>
ハイジャックに<19>
シンデレラ城<20>
休息とお祭りの島<21>
国際結婚<22>
ハイティー<23>
オリンピック<24>
買い物<25>
アスワンでの母娘<26>
ルクソールの休日<27>
・大失敗の巻き<28>
自由行動日<29>
香港に始まって<30>



 

大失敗の巻

1995年(平成7年)5月、
北京にある「日中友好病院」を見学するツアーに出発した。

一行28人が北京空港で
「査証許可名簿」順に入国審査に入った時だった。

係官が
「この人の名前が名簿に見当たらない」と私に言った。

一瞬、何の事かと思ったが、
すぐに出発間際に参加者が1人入れ替わったことを思い出し、
背筋に冷たいものが走った。

もしや変更が届いていなかったのでは…
と慌て名簿をチェックしたがやはり見当たらない。
もちろん無査証では入国することは出来ない。
「何とか査証をとる方法がないか。」
と、係官と押し問答となった。

そのうち係官は上司と話し合いをはじめたが、
上司は首を横に振っている。
繰り返しの必死の願いが通じたのか、
その上司が窓口まで出てきた。
「しめた」
事情を聞いて席にもどった上司は本庁への電話を開始した。
しばらくして「特別許可で個人査証を発行します。

バスを出発させ、車内でお待たせしたおわびとして
「本日の夕食の飲み物は、私の勘定とします。」
と言った時、誰かが
「明日も何かあるといいなぁ」
と言ったので大笑いになった。

3日間の見学・視察を終えた最終日に北京市内を見渡す
「景山公園」に登った。
見物後、集合時間になっても2人の女性が戻ってこない。
さあ大変!!
今度は「迷子」だ。
広い園内を何度となく探すが見当たらない。
バスに戻ろうとして下り口を間違えたらしい。


見つかった時は、帰りの飛行機の時間も迫り
時間調整のつもりが裏目となり、
大いに反省したことだった。

長い添乗経験の中で、ハプニングや失敗は色々とある。


私自身が被害を受けたケースが1度ある。

ニューヨークのタイムズスクエアのバーに
お客様と同行し支払いを済ませて外に出たときだった。
妙齢の女性が2人近づいてきて、
突然私の急所を押さえた。
私がひるんだ隙にズボンの左ポケットに入っていた
何枚かのドル紙幣を抜き取り逃げた。

仲間がバーで支払うところを知らせたものらしい。

「盗られたら取り返すな」深追いは禁物である。
生命を危うくする場合がある。

案の定、2人組が走り去るくらい路地にエンジンをかけたままの車に男性2人が待機していた。
しかしこの経験はその後の添乗で充分生かされることが出来たように思う。


冷や汗を2度も流した今回は、
辛抱していただいたやさしいお客様の顔とともに
忘れられない旅となった。
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