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    きーさん 添乗員日記
 
 
北陸中日新聞
      に掲載中
過去の記事
  ベトナムは今<1>
初添乗のころ<2>
長江横断遠泳大会<3>
ワインのお返し<4>
夫婦円満旅行の誕生<5>
沈まぬ太陽<6>
キーウエストの神風<7>
五番街ティファニー<8>
『ルンビニー園』<9>
機長と社長<10>
海の都で<11>
動物漫才<12>
ロードサイド店<13>
危機一髪?<14>
新入り操縦士<15>
スキーツアー企画<16>
『ほのぼの旅行』<17>
出向を命ず<18>
ハイジャックに<19>
シンデレラ城<20>
休息とお祭りの島<21>
国際結婚<22>
ハイティー<23>
オリンピック<24>
・買い物<25>
アスワンでの母娘<26>
ルクソールの休日<27>
大失敗の巻き<28>
自由行動日<29>
香港に始まって<30>



 

買い物

海外旅行の楽しみの1つにショッピングがある。
そして、人それぞれの買い方がある。

イタリアのフィレンツェでのことだった。

お客様を有名ブランドのブティックにご案内した。
ある奥様が、カバン・スカーフなどご自分の品物を選んで
会計となった時、
連れのご主人が旅行小切手を取り出し、
次から次へとそれにサインを開始した。
何かリズミカルに楽しんでいるように感じられ、
終わった時は満足気だった。
奥様が今買ったばかりの品物を抱えてバスに戻った。

ご主人が私に
「ちょっと一緒に来てほしい」と言って、
先ほどの店とは違う雑貨店に向かった。
よほど気に入った品物を見つけられ、
それを買われるのだと思い、一緒に店に入った。

カウンター越しに店員に指を指したのは、
革のベルトだった。
「これ2本ください。」
「いや3本にしようかな」と迷っている。
ふと見ると、1本が確か日本円で1,000円に満たない
ベルトだったと記憶している。

奥様の買い物がウン十万
こちらは迷って迷ってウン千円
この落差は何なのか…を思いめぐらしながら、
私もつられて1本買ってしまった。

愛情はお金で計ることは出来ないと言われるが、
これはまさに愛情の深さなのではないか。
この出来事を奥様は知る由もない。


ナポリでは、またこんなことがあった。
ナポリのカメオ工場売店での筆者
カメオの工場見学を終え、売店でショッピングを
楽しんだ後、バスに乗り込んでいた時、
お客様の1人が近くの露店をひやかした。

先ほどのカメオこうじょうの売店と同じような品物が
安く売られていたので、
「なぜこんなに安いの」と、尋ねると、
露天商は上手な日本語で「とってきた。」

ドロボー市場だったようだ。
そのお客様がそれを買ったかどうかは定かではない。

旅行中にお土産を買う時間をうまくつくってあげるのが
添乗員の腕の見せ所となっているが、
今では、旅行出発前にカタログで注文し、
帰国と同時に自宅に宅配されるシステムがある。

新婚旅行や業界視察など、餞別をいただく
義理のお土産品を調達するのに大変うけている。
これを利用すると、現地ではゆっくりしたその他の
お土産品の品定め時間がとれることうけあいである。

限られた時間を有効に使う工夫が
旅行上手になるポイントだ。
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