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ルクソールの休日
アスワンを後に一行は次の訪問地
「ルクソール」に向かった。
ナイル川をはさんで、ルクソールの町は紀元前エジプトの首都だったところ。
東岸のカルナック神殿や西岸のツタンカーメン王の墓のある王家の谷の観光を終え、
ナイル川の中・クロコダイル島にあるドイツ系の5つ星
「モーベンピックホテル」に入った。
旅装を解いた各コテージのまわりには、芝生が敷き詰められ色とりどりの花がここかしこに咲いている。
夕刻7時、夕食のレストランに向かって芝生を横切った時、ちょうどナイル川に夕日が沈むところだった。
黄昏の雰囲気の中、静かな音楽が流れている。
背の低い木々の間から見える船着場には、ファルーカ
(帆船)が帆を下ろしながら帰ってくる。
オレンジ色が向こう岸のヤシの木々を黒く染めながら、
最後の輝きを見せている。
人々はプールサイドの植え込みに囲まれたカフェテラスでビールなどを飲みながら静かにサンセットを楽しんでいた。
翌日は日光浴や読書、散策を楽しむグループと
ルクソールの町を馬車で見物に出るグループとに
分かれた。
午前10時に馬車7頭でホテルを出発。
コーランのお祈りの声がどこからともなく聞こえる
ナイル川沿いの田舎道を
蹄や鈴の音を響かせながら進む。
先頭から振り返ると、
各馬車のご夫婦が子供のようにはしゃいでいる。
御者になったつもりでかけ声をかけている人もいる。
気に入っていただいたようだ。
ルクソール博物館を見学した一行は市場に入り、
馬車を下りて少し歩くことにした。
野菜、肉、果物、香辛料など
道路にあふれんばかりに並べられている。
買い物に行き交うエジプト人は、人なつっこい表情で
われわれにあいさつのしぐさを返す。
にぎやかで、生き生きとした雰囲気は
われわれを3千年前の古代エジプトに
タイムスリップさせてくれた。
その国の生活のにおいを、
肌で感じることの出来る市場を見物することは、
旅行の印象をより深くしてくれる。
こうしてルクソールの2日間の休日は終わった。
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