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「ベルゲンでデート」
ノルウェーのベルゲンに入ったのは夕方。
何度も宿泊している港に面したアドミラルホテル。
翌日、登山列車に乗りフィヨルド見物に出かけました。
登山列車に乗り込んで間もなく、団員以外は欧米人だった車両に珍しく日本人と思われる女性が乗ってきました。
「どちらからですか?」
と得意の日本語で話しかけました。
しばらく若い日本人の女性と話をしていなかったので…
彼女は不思議そうに首をかしげます。
変な外国人に見えたようです。
しばらくして今度は向こうから英語で話しかけてきました。
ロンドンの大学に留学して今年卒業なので、記念旅行に北欧へ来た、一人旅だという。
フィヨルドの船着場で昼食を取った後に遊覧船に乗ったところ、彼女から私たちのところにやって来てこれからベルゲンに帰ると云う。
団長に諮って私たちの専用バスに同乗して帰ってもらうことにしました。
「北河さんの宿泊ホテルはどこですか?」
と尋ねるので私は、団員の皆様の夕食が終わるとお役御免となるので、オールドベルゲンの街並みを歩いてみたいと誘いました。
白夜のベルゲン、港の市場付近は夜遅くまで賑わっている。
少し高台の古い町並みは、細い石畳の路地裏に小さなレストランや食料品店などが白夜に包まれ雰囲気をかもし出している。
一軒のパブに入ってビールを注文する。
「台湾に帰って学校の先生になるつもり」
と彼女は身の上を少しずつ話す。
お互いに不得意な英語はテンポが遅い。
それでも旅の空の下で見知らぬ人と2時間交流できたことは得難い機会でした。
帰国後、1ヶ月ほどして台湾に戻ったことを知らせる手紙が届き、文末に、〜思い出に残る時間だった〜と記されていたので、
彼女の卒業記念に少し貢献できたかなと思いました。
添乗員は常に『刺身のつま』に徹することが大切です。
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